私たちが普段食べている牛肉。もちろん牛からいただいているものですが、雌牛と雄牛の違いがわかる人は少ないのではないでしょうか?雌牛と雄牛では、同じブランド牛でも明らかに味に差が出てきます。それに伴い、取引価格も異なってきます。
そこで今回の記事では、雄牛と雌牛のあらゆる分野の違いについて解説します。また、食肉卸についても説明していきますので、牛肉が好きな方や食肉卸について興味がある方はぜひ最後までお読みください。
雌牛と雄牛とは
それでは早速、雌牛と雄牛について説明します。まずはじめに、雌牛から説明します。
雌牛とは「未経産牛」のことを指します。つまり、出産を経験していない牛のことを言います。そして、出産を経験した牛は「経産牛」と呼ばれます。未経産牛のほうが肉質が良いとされています。人間で考えると分かるように出産を経験した人より若い人のほうが筋肉に弾力性があります。ですが、経産牛が日本の牛肉市場にまったく出回ってないわけではありません。まれに、生肉で出荷されることがありますが、加工品としての利用は現在も続いています。乳を産出すると「搾乳牛」となり、呼び方が変わります。
それに対し、雄牛とは「去勢牛」と呼ばれることもあり、幼年(生後4〜5ヶ月)で雄牛の睾丸を切断した牛のことを指します。幼年のうちに睾丸を切断することで、サシつまり、脂がはいりやすくなります。基本的にスーパーでは去勢牛を売っています。牛の一生をおさらいすると、誕生してから子牛、育成牛、そして先ほど紹介した未経産牛、経産牛、搾乳牛というように呼び方が変化します。
よく耳にすることがある「国産牛」とは和牛や交雑牛、乳牛の総称のことを指します。
ですから、雌牛と雄牛は性別だけでなく、牛の年齢によっても区別されていることがわかります。
雄を去勢する利点とは
去勢とは、雄牛や雄豚などの精巣を除去することを言います。去勢をすることで先ほども言った通り、肉質の向上だけでなく、管理の簡易化などの狙いがあります。肉質の向上についてですが、去勢をすることで白筋であるサシが入りやすくなります。
その結果、肉自体が柔らかくなります。管理の簡易化については、去勢により、雄性ホルモンが減退することで性格が穏やかになり、飼育がしやすくなるのです。
雌牛と雄牛の味の違い
牛肉は「見た目」「脂の味」「柔らかさ」で評価されます。雄牛(去勢牛)は去勢によりサシが入りやすくなりますが、雌牛より筋肉質であるため硬い肉質になってしまいます。サシの中に含まれている不飽和脂肪は雌牛のほうが多く含まれており、雌牛はきめ細かくサシが入っているので同じ種類の牛でも柔らかさがまったく違います。不飽和脂肪酸は融点が低いため、口の中で溶けるように口の中で肉汁があふれ出すお肉が実現可能です。
不飽和脂肪酸とは?
そもそも不飽和脂肪酸って何?と感じた方は少なくないでしょう。不飽和脂肪酸には、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸があります。この2つは構造に違いがあります。
一価不飽和脂肪酸は血中の悪玉コレステロールを下げる働きがあります。多価不飽和脂肪酸には血圧を下げる働きやLDLコレステロールの低下に役立つ働きがあります。牛肉には一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が多く含まれていることが実証済みです。オレイン酸にはリノール酸をこえるLDLコレステロールの低下作用があります。不飽和脂肪酸は体内で作り出すことができません。ですから、牛肉や豚肉から体内に取り込む必要があります。不飽和脂肪酸が多く含まれると、肉のうまみや肉汁の味わいが異なってくるので、不飽和脂肪酸の量が肉のおいしさに直結するといっても過言ではありません。
雌牛が流通しにくい理由3選
一般的に不飽和脂肪酸が多く含まれていると言われているのが雌牛です。ですが、雌牛はとても流通しにくくなっています。なぜなら、雌牛は体が小さいからです。ですから、体の大きい雄牛を育てた方が、コストパフォーマンスが良いとされています。また、去勢牛は個体が大きいためパーツで売ることができ、流通しやすいという特徴があります。去勢牛のほうがパーツで売ることができる一方で、雌牛はパーツでの流通が少ないため仕入れが困難となってしまいます。この3つの観点をさらに詳しく見ていきましょう。
体形が小さい
人間では女性より男性のほうが身長が大きいという特徴があります。牛も同じように体の大きさは雌牛より、雄牛のほうが大きくなりやすいようです。そのため、同じ時間条件下であったとしても雄牛より、雌牛のほうが大きくなりにくいことが分かっています。
雄牛のがコスパが良い
雌牛と比較すると雄牛は体が大きい傾向があります。そのため、食肉として出荷できる量が多いので生産効率が雌牛より去勢牛を好んで育てる人が多いようです。牛を育てるにはもちろんコストがかかります。出荷までの時間が長ければ長いほどコストがかかります。そのため、短い期間で大きく成長してくれれば1番コストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。その結果、去勢し、雄牛を飼育したほうが、雌牛を育てるほうが費用が安く済むのです。
仕入れが困難
先ほど雄牛のほうがコストパフォーマンスが良いことを説明しました。それにより、多くの人は去勢牛の飼育をします。それに伴って、雌牛を飼育する人が少なくなり、結果的に仕入れが困難になってしまいます。つまり、雌牛は可食部が少なく、飼育にコストがかかるため、流通が少なくなってしまいます。流通が少なくなると必然的に価格も高騰してしまうという事態が起きてしまいます。
ですが、雌牛には去勢牛にはないおいしさがあります。その雌牛はどこへ行ってしまうのでしょうか。結果からいうと食肉卸が競りで仕入れます。雌牛には多くのうまみが詰まっているので、欲しい方はたくさんいるでしょう。そのため、美味しい雌牛はなくなり、一般家庭に流通することがほとんどなくなってしまう現状です。
雌牛を味わうなら食肉卸をしている店舗
雌牛は仕入れが困難なため、去勢牛より雌牛のほうが美味しいという情報は、一般的にあまり知られていません。それに加え、力のある卸業者でなければ、市場で回ることの少ない雌牛の仕入れが困難となっています。そのため、直営店からお肉を買えば、その会社でどれが雌牛なのかわかるので、直営店で買うことが望ましいと言えるでしょう。または、力のある卸業者から購入することをお勧めします。力のある卸業者であれば、食肉卸の目利きを経て、店頭に並んでいるわけですから、いいものが並んでるに違いありません。もし、一頭丸ごと買っている卸業者だった場合、提供時の価格が低く設定されている可能性が高いです。このようなメリットがあるため食肉卸をしている店舗での購入をお勧めします。
食肉卸なら「乙川」が雌牛を卸せる理由3選
そこで、食肉卸の乙川の雌牛をお勧めします。なぜなら、ここは乙川畜産食品株式会社の直営店であり、「乙川」ブランドとして食肉卸をしているからです。また、食肉卸で培った30年の目利きプロが食肉を厳選し、常に上質なお肉をお届けしてくれるからです。それに加え、品質管理の管理を徹底していて低価格で高い質の焼肉を食べることができます。それでは、この各項目について見ていきましょう。
「乙川ブランド」として食肉卸をしている
乙川畜産食品株式会社が選抜する食肉は、高い質でかつ最高のコストパフォーマンスで提供しています。それでも、安定供給という素晴らしさを兼ね備えています。競りから配送までの間、独自の生産システムを確立しています。そして、私たち消費者が安心して、食事ができるように日本農林規格認定書や書SQF認定書を保持しています。ですから、ここでは、高品質な食肉を安心して食べることが可能なのです。
目利きのプロが厳選
乙川畜産食品株式会社には、競り場歴30年の大ベテランがいます。その熟練の目利きや技術により肉の品質を判断しています。毎日600頭の中から、血流、銘柄、体型などさまざまな視点から食肉を競り落としています。だからこそ、高い品質を維持することができるのです。
品質管理の徹底
日本農林規格認定書やSQF認定書をもらっているわけですから、品質管理は徹底されています。競りで落とされた食牛は一頭ずつ熟練スタッフが解体し、真空パックに詰め、製品によって適切な温度で保存しています。また、セリ場から外気に触れることなく、加工することができるシステムを持っています。加工後も安全体制が整っており、誰もが安心して食べられるような制度を確立しています。
食肉卸を行っている直営の店「牛匠乙ちゃん」がおすすめ
焼肉屋「牛匠乙ちゃん」は乙川畜産食品株式会社が行っている直営店です。ここでは、和牛の雌牛のみを使用していて、最高級の焼肉を味わうことができます。直営店であるため、直送になり、コストが低く抑えられるので比較的安価な値段で楽しむことができます。雌牛は肉質がよく味が濃いので老舗のすき焼き・しゃぶしゃぶ屋さんでも使用しているお店があります。ですが、パーツで買えるサイトはなかなかありません。通販販売も行っているので、たくさんの方がお肉を楽しめる環境が整っているということが言えるでしょう。それでは、詳しく見ていきましょう。
和牛の雌のみを提供
先ほども紹介したように、この店では、和牛の雌のみを使用しています。直営店で毎日より良い、お肉が厳選されるため、その時期に1番良いものをお店で味わうことができます。乙川畜産食品株式会社では、一頭買いしているので、お店で部位の食べ比べもすることが可能になっています。
直送であるためコストが低い
目利き歴30年以上のプロが仕入れを担当しているため、最高品質のお肉が安定供給されています。直営店であるため、一頭買いすることで、安価な価格で焼肉を楽しむことができます。最高品質なお肉を一頭買いすることで、安い単価、食べ比べができるというメリットを生んでいるお店です。
通販事業も展開
焼肉店だけではなく、通販事業も展開しています。これも焼肉店同様に、雌牛のみを使用しています。産地にこだわらず、目利きのプロがその日に1番良いものを厳選しているそうです。この通販事業により、都心や近郊の方だけでなく、全国各地のさまざまな場所で「乙川ブランド」を楽しめるようになりました。ここまで品質管理が徹底されていて、かつ最高の和牛の雌牛を食べることができるのは他にないと言えるでしょう。
まとめ
雄牛と雌牛では体の特徴により、雌牛のほうが美味しいとわかっていただけたと思います。コストパフォーマンスの観点から、雌牛は流通しにくく、雌牛は、一般的にはめったに味わうことができないものです。ですから、供給が少ないというのが現状です。そこで、美味しい雌牛を食べるために食肉卸をお勧めします。特に、一頭買いしているところは、比較的安価で食肉を購入することができます。その食肉卸の中でも、高品質、そして安価な値段で提供している「乙川」が望ましいと言えるでしょう。その直営店である「牛匠乙ちゃん」では、和牛の雌牛のみを扱っているので、一度食べてもらいたい味です。